《写真漢詩》四長、上高地帝国ホテルの暖炉に納得する。(上高地吟行5)


  6月26日からスタートした「上高地吟行シリーズ」も本日で第5回を迎え最終回となる。

 2021年9月初旬の旅の思い出を綴ったものだが、最初は1回か2回で完結させようと思っていた。でも、気がついたら5回、それも毎日連載となってしまった。改めて、毎日読んで感想を下さった方、twitterで👍をして励ましていただいた方にも感謝したい。

 最終回は、上の写真の「上高地帝国ホテル」の話だ。「上高地帝国ホテル」、初代は1933年開業、高橋貞太郎の設計だ。2代目が77年に新築された時も、開業当初の外観を忠実に再現している。クラシックホテル好きの私としては、一生に一度は泊まりたいと思っていたホテルだ。


 でも、このホテル、私にはかなりハードルが高かった。お値段も勿論だが、常連客と旅行会社で、山開き前の予約開始日に、殆どの部屋が押さえられてしまうからだ。

 私は旅先の天気を結構気にする。前にこのブログ(※リンク)にも書いたが雨に極端に弱いからだ。それが上高地となれば、気になるなんてレベルではない。「雨の上高地が好き」って人は、私の知る限りいない。雲や霧で穂高連峰が全く見えなくても構わないとも思わない。上高地へは直前の天気予報で、晴天の可能性を確かなものにしてから行きたいと、常々思っていた。でも、そのタイミングでは「上高地帝国ホテル」の予約は当然不可能だ。


 私は悩んだ。その私の背中を押したのは新型コロナだ。2021年春、コロナは一旦小康状態となったが、この先どうなるか分からない。行けるときに行きたい所へは行くべきだ。私は決心し「上高地帝国ホテル」を予約した。でも予約した後も、穂高は見えるのだろうか?梓川の流れは美しいか?天気はずーっと気になってはいた、、、


 でも行って良かった。良かったことが二つあった。一つは勿論、天候に恵まれたこと、この「上高地吟行シリーズ」の掲載写真でご覧の通り、明神池方面へ足を伸ばしたその日は素晴らしい晴天!(大正池を散策した2日目も曇り)と言う大満足の天気に恵まれた。もう一つは、「雨の上高地帝国ホテルライフの魅力」を見つけたことだ。その魅力はホテルのラウンジの中央にドーンと構えている。この巨大な暖炉だ。


 上高地は夏でも雨が降れば、気温はグッと下がる。そんなときは暖炉に火が入れられる。火が燃えるのを見ながら、薪が弾ける音を聞きながら、ウイスキーのグラスを傾け読書する。成程、常連客が天候が定かではないずーっと前から、このホテルを予約する理由が分かった気がした。たとえ天気が悪くても、暖炉の前の豊かな時間が待っているからだ。


 その日は、ホテルでの時間も快適で、憧れの山岳リゾートを満喫し眠りについた。昼間歩き過ぎた疲れとワインのせいか夢も見た。夢の中でも梓川を辿り、穂高に向かって歩いていた。



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