《写真短歌》作曲家シリーズ(2)ブラームス「交響曲第3番第3楽章」
「ブラームスはお好き」フランソワーズ・サガンの4番目の小説だ。映画化もされた。タイトルは、年上の恋人(映画ではイブ・モンタン)を持つの自立した主人公の中年女性(イングリッド・バーグマン)を、年下の美青年(アンソニー・パーキンス)がコンサートに誘う手紙の冒頭の一文「ブラームスはお好きですか?」から来ている。
確か50年以上前に新潮文庫で読んだ。その前に読んだサガンの「悲しみよこんにちは」と同様、タイトルがキャッチーで読んだ。でも、残念ながらストーリーの大筋は覚えていても、ディテイルはうろ覚えだ。(文庫本の表紙の絵がベルナール・ビュフェだったことは鮮明に覚えている。)
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探したが見つからないので、今回Amazonで第86版を再購入した。 |
何年後かに、どこかの名画座で見た映画(何故か映画は、このキャッチーなタイトルを「さよならをもう一度」という陳腐なタイトルに変えている。)の方は、まだ幾つかシーンを覚えている。確かこれぞパリ!フランス映画って感じの映像だった。(仏米合作だが)
そんな中、今もハッキリ覚えているのは、映画全編に流れていたブラームスの交響曲第3番の第3楽章だ。繰り返される主題が、シックなパリの情景に溶け込んでいくようだった。主役の一人であったイブ・モンタンも、後にジャズっぽく歌っている。これもカッコイイ。日本でも私の好きな大貫妙子や平原綾香がカバーしている。
そして、今、私の中では、この曲は、雨の日のテーマになっている。(映画に雨のシーンがあったかすら記憶にないが、何故か雨の日のテーマになっている。)私は小さな時から典型的な晴れ男で、雨の日は極端に苦手だ。その傾向は歳とともに昂じている。それを何とかしてくれているのがこの曲だ。雨の日の外出には、頭の中のプレーヤーのスイッチをオンにしてこの曲を流す。そうすると足が自然に動き出す。ブラームスには感謝しかない。
それ故、私は「ブラームスがお好き?」と聞かれれば、「好き」と答えることにしている。
因みに、私は見てはいないが、韓国ドラマ「ブラームスは好きですか?」は全く違うストーリーのようだ。天才ピアニストの話のようなので、ドラマの中でブラームスが演奏されるのだろう、、、、私の想像です。念の為。