「四長の紐育旅日記」(4)世界の交差点・タイムズスクエア〜永遠の嘘をついてくれ⁉️


 「ニューヨークは粉雪の中らしい、成田からの便はまだ間に合うだろうか。片っ端から友達に借りまくれば、 決して行けない場所でもないだろう、ニューヨークくらい。」

 中島みゆきが作詞・作曲し、吉田拓郎に提供した「永遠の嘘をついてくれ」の冒頭部分だ。2006年のつま恋の拓郎のコンサート、中島みゆきがサプライズで登場して、二人でこの歌を歌ったシーンは、今でも鮮明に覚えている。本当に鳥肌が立った。

 そのとき思った。「粉雪の中のニューヨーク」ってどんな景色何だろう? 少したってある映像が浮かんだ。此処タイムズスクエアの映像だ。


 何故?タイムズスクエアの映像なのか、答えは簡単だ。タイムズスクエアの大晦日のカウントダウンの映像を毎年見ているからだ。

 冬、ニューヨークは東京よりもずーと沢山の雪が降る。東京では滅多に無いホワイトクリスマスもかなりの確率で実現する。

 その6日後の大晦日の夜、タイムズスクエアのカウントダウン!何十万人の人が声を揃えてカウントダウンし、ニューヨークタイムズ社が打ち上げる新年の花火を見上げる。その夜空に粉雪が舞っている光景も決して珍しくない。むしろそれがニューヨークの風物詩だ(※1)。

 このカウントダウンの光景、1905年から始まりもう120年以上、戦時中も途絶えること無く続いている。近年は数十万人規模の観客を集めてきた。そのカウントダウンだが、2020年12月31日のそれは異様だった。

 コロナ禍の影響で、スクエアに通じる全ての道路を封鎖して、無観客(※2)で行われた。

 私も翌日のテレビで見たが、アナウンサーが、「これからもパンデミックは繰り返し起こり、前年までの様なカウントダウンが、此処に帰ってくることを期待してはいけない」と言っていたのを覚えている。

 人のいないタイムズスクエアの空間に、寂寥感、絶望感さえ漂っていた。


 だが、ニューヨークは永遠だ!コロナ禍を乗り越え復活する。タイムズスクエアの恒例カウントダウンも、翌年こそオミクロン株流行で、観客を1万5千人に制限したが、徐々に通常開催に規模を戻して来た。

 もう現在では観客はコロナ前を遥かに越え、スクエアを囲むビルボードは、数も増加し、機能も飛躍的に向上した。殆どが映像型情報ディスプレイであり、中には3D映像もあるみたいだ(※3)。

 映画館のスクリーンの様な沢山の大小の画面が目まぐるしく、不規則に動く、動く、、、決して不快ではない、、、でも、、、タイムズスクエアよ、永遠に進化?変化!して行くつもりか?(来年くらいにはAIの技術で全てが連携して動いたりして、、、)

 突然、リドリー・スコットの映画「ブレードランナー」の中に出てくる未来社会のサイバー空間の中に放り込まれたような錯覚を覚える。酒も飲んでいないのに、何かに酔っている不思議な感覚だ。


「なのに永遠の嘘を聞きたくて、今日もまだこの街で酔っている、、、君よ 永遠の嘘をついてくれ、いつまでも種明かしをしないでくれ、、、」

 決して行けない場所でもなかったニューヨークの街角で、またあの歌を口遊んだ。


(※1)新年直前にはジョン・レノンの「イマジン」が合唱され、年越し直後には「蛍の光」とフランク・シナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」が流れる。

(※2)代わりに医療従事者や救急隊員など、パンデミックに貢献した2020年のヒーローが少数招待され、讃えられ、その映像が全米に中継された。それが唯一の救いで、新しい年への希望の様に感じられた。

(※3)年間5,000万人の観光客、年末のカウントダウン中継等々「世界の交差点」の広告価値は巨大で上昇し続けている。そのため最新の広告技術の実験場、効果検証場所になっている。


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