《写真・俳句》四長、師走の京都を旅する。

  12月15、16、17日、2泊3日で師走の京都を旅した。

 紅葉も完全にピークアウトし、洛北の岩倉や東山南禅寺界隈の寺々はすっかり落葉、散り紅葉が美しい。

実相院

白沙村荘

  一方、街中の町屋の中庭の紅葉は辛うじて頑張ってくれていた。

八竹庵

八竹庵

 そして今回の京都は空いていた。中国人観光客は政府の渡航自粛で激減し、欧米人観光客はクリスマスは母国で過ごしたいと、先週辺りからこちらも激減。私がこの3日間で訪れた「八竹庵(旧川崎家住居)」「実相院」「岩倉具視幽棲旧宅」「對龍山荘」「無鄰菴」「白沙村荘」「茂庵」は、皆ほぼほぼ貸し切り状態で迎えてくれた。

對龍山荘

 最近の京都のオーバーツーリズムの話とは程遠い贅沢な時間が過ぎて行った。おまけに天気にも恵まれた。3日間で晩秋から初冬へと京都の山や街や人が、衣替えをしてゆく様をじっくり観察させて貰った。

對龍山荘

 でも、あんまり人がいないと別な心配も心を掠める。「白沙村荘」の庭園を巡っていた時だ。「白沙村荘」は明治画壇の巨星・橋本関雪の旧居跡。銀閣寺の参道の南側の広大な敷地に庭園が広がる。この庭で関雪は日々スケッチに勤しんだ。関雪好みにワザと庭師の手数を減らし、自然に任せ少し荒れた山里風に作庭されている。

白沙村荘

 良い雰囲気、私好みでもある。庭を巡るのは私たち夫婦だけ他に誰も人はいない。ここは思わず大好きな小学唱歌「里の秋」でも口遊みたくなるところだ。そして田舎家の朽ちかけたような門を潜り、まだ実が多く残った柿の木を見た。その瞬間!私の心に、背筋に、思いもかけぬ恐怖戦慄が数秒過ぎり走った。「熊は大丈夫か⁉️」

白沙村荘

 いくら山里風とは言え、此処は京都の街中、庭園は高い塀で囲まれている。熊が出没するはずが無い。でも本当に過ぎった。一瞬だが恐怖戦慄が、、、

白沙村荘

 そう言えば、先週、此処「白沙村荘」から少し南に下ったところにある清水寺で管主が、恒例の『今年の漢字』として『熊』を発表していたっけ。聞いたときは、「『熊?』確かに世間を賑わし、被害も深刻、甚大だ。けど、今年の漢字としてはイマイチかな?」って思っていた。しかし何の事はない、私の潜在意識に『熊』はスッカリ棲みついていた。「『熊』こそが『今年の漢字』に最も相応しい!」と、この時心底実感!さすが清水寺❗️恐るべし『今年の漢字』‼️



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