《写真漢詩》四長、亀戸天神の魅力を総括する。(夏の亀戸吟行4)

真夏の亀戸天神、快晴!暑い!雲も無いが人影も無い。

  ①菅公(菅原道真)」→「②亀」→「③くず餅(船橋屋)」と書いて来た「夏の亀戸天神」シリーズも、今日が第4回、最終回(一応)である。此処まで書き進めて来て改めて思うのは、「亀戸天神」は、やっぱり下町の象徴!下町の天神様だ!ということである。下町らしく色々「てんこ盛り」である。

 例えば「花」にしても天神様の総本社、京都の北野天満宮が、「梅」に特化しているのに対して、亀戸天神は欲張りだ。「梅」だけでなく、「藤」も「菊」も名所として有名だ。「生き物」だって「亀」が外来種の問題(※リンク)を抱えてはいるが、大繁殖して人気者になりつつある。門前の船橋屋の「くず餅」だって、店主が大スキャンダル(※リンク)を起こしたが、粘り腰で人気を回復しつつある。

 そして亀戸天神、敷地も下町らしく決して広くない。むしろ狭い。でも其処は下町らしく、「てんこ盛り」精神で広く見せる工夫をしている。立体化している。2層構造にしているのだ。下の写真で説明しよう。

藤棚が天井の役割、夏は日陰を形成し、下の池と相俟って涼しさを演出。


藤棚は額縁効果の額縁の役割もこなす。額縁から本殿を見る。

 写真の通り、藤棚や梅の木が、天井や壁の役割をして一階部分を形成し、屋内にいる錯覚さえ覚える。


 それに比べると、2階部分はアウトドアだ。太鼓橋を登れば段々視野が広がってくる。頂点まで登れば、瞬間、突き抜け感がある。足元に一面の藤棚!まるで草原に立っているかの如く、気分爽快だ。そして近時、この風景にスカイツリーが加わった。最高の借景、スカイツリーは天を突き刺すように、すっくと立っている。

 先ほど「てんこ盛り」という言葉を使ったが、てんこ盛りの語源は「天まで盛り上げる」だそうだ、そうとすれば、亀戸天神の「てんこ盛り」!このスカイツリーの登場を以て完成だ。漢詩も出来た。



 「てんこ盛り」の亀戸天神、年中結構忙しく賑わう。春は「梅まつり」に始まり「藤まつり」、そして秋は「菊まつり」と「七五三」、冬は「初詣」と「鷽替の神事」、それが過ぎれは天神様のクライマックス「受験祈願・お礼参りのシーズン」だ。人が途絶えることが無い。唯一、人が少なくなるのが、今、夏である。鬱蒼とした緑の中に、太鼓橋の赤が映える。私はそんな真夏の亀戸天神!嫌いじゃない。でも暑い。門前の船橋屋本店のくず餅と並ぶ2大看板かき氷は、この時のためにある。

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