《写真漢詩》四長、画家を語る(前編・カラヴァッジョの生涯)

  カラヴァッジョのひととなりをちゃんと認識して、その作品を生で見たのは、2016年イタリア旅行だ。ローマのサン・ルイジ・デイ・フランチャージ教会のコンタレッリ礼拝堂で、彼の出世作「聖マタイの召命」「聖マタイの霊感」「聖マタイの殉教」の三部作を見ることが出来た。ツアーのコースには入っていなかったが、家人がどうしてもと言うので、早起きして、朝のミサで祈りを捧げる地元ローマ市民に紛れて鑑賞した。感動は非常に大きかった。カラヴァッジョが、この礼拝堂のこのスペースを想定して描いたのだから当たり前だ。演出効果は抜群で、劇場で芝居を見るように、絵の世界に吸い込まれていった。やはり彼は只者ではない。

礼拝堂内向かって左「マタイの召命」正面「マタイの霊感」

右「マタイの殉教」と上の2枚でコの字で囲む。

 最近、この写真を見ていたら、漢詩が出来た。歴史上の人物を漢詩で詠むことは稀にあるが、波乱に満ちたエピソードが無いと、私にはなかなか難しい(律詩のルールである対句の制約もあるからか)。でもカラヴァッジョの人生には波乱が付きまとう、、と言うか波乱そのものだ。彼の生涯を辿るだけで、七言律詩が簡単に出来た。それも「明」と「暗」の2部編成の連詩だ。



 訳を読んだだけで、彼の人生の波瀾万丈振りは、お分かり頂けると思う。何と彼は喧嘩が原因で殺人を犯し指名手配されてしまうのだ。でも彼は絵筆だけは手放さない。最後まで創作活動を続け、画家であり続けた。次回は、そんな彼の作品の魅力を語りたい。

このブログの人気の投稿

《写真漢詩・短歌》臨時増刊・四長、江東区でプリツカー賞を堪能する。

《写真俳句》臨時増刊・四長、横須賀美術館で山本理顕氏のプリツカー賞受賞を祝う‼️

《写真漢詩》四長、県庁所在地の魅力を考える(富山吟行1)。