《写真漢詩》入道雲は死語になるのか?
そうか、少なくなったのは「夕立ち」だけでなく「夕立ちを降らす入道雲」も気象学的に少なくなっていたのか、、、
![]() |
亀戸天神から東京スカイツリーを眺める。 |
私はそれを聞くまで、入道雲という言葉を最近あまり聞かなくなったのは、若い人が「入道」の意味を知らなくなったからだと思っていた。「入道」即ち出家して僧侶になることだ。私の小さい頃は「入道清盛」「入道相国」と言って、平清盛が「入道」の代表選手だった。その頃、清盛は完全に悪者キャラだった。一方で源氏の頼朝・義経兄弟は完璧な正義の味方だった。そのため、もくもくと大きくなる入道雲さえも不気味で憎らしく感じていた。
ところが最近では、清盛は幼い頼朝を殺さず、後にリベンジを許すなど、脇の甘さ(人間的な面)を指摘されるようになった。大河ドラマの世界では、寧ろ昨年の頼朝、今年の信長の方が、ともに実弟を殺すなど、冷酷さ残忍さ(非人間的な面)が強調されている。気象に例えるなら、平清盛が唯の入道雲なら、源頼朝や織田信長は差し詰め「線状降水帯」かもしれない。
小さい頃は、気象も歴史も変わらないものだと信じていた。だが、どうやら違うようだ。少し怖い話だ。
![]() |
マンションのベランダから眺めた空、あの雲は、入道雲か?線状降水帯か? |