《写真短歌》アマリリスの作曲家は誰だ?


  アマリリスである。ヒガンバナ科の植物で、名前のアマリリスはギリシア神話に出て来る羊飼いアマリリスの名前から来ているとか?私はこの花が、あの歌に出てくるアマリリスと知ったとき驚いた。あの歌の印象からは、もっと小ぶりで可憐な花だとずっと思い続けていた。

 あの歌!そう!「ラリラリラリラ、調べはアマリリス」!のあの歌だ。小学生のとき、私は最初NHKの「みんなのうた」で聞いた。暫くすると教科書にも載り、合奏の練習曲として、音楽の時間に特訓を受けた鮮明な記憶がある。

 そして、当時はこの歌はフランス・ブルボン王朝のルイ13世の作曲だと教わった。フランスの王様が作った曲を演奏する。小学生ながら、どこか名誉で特別感もあり、特訓も止むなしと納得したものだ。

 ルイ13世、高校の世界史に登場した。絶対王政を確立し息子の「太陽王」ルイ14世に比べると地味な印象であり、日本ではあまり取り上げられることも少ない。でも小学生時代に出会った人物というのは偉大に思えるもので、私の中では、ブルボン王朝と聞けば、反射的に出て来るのは、ずーっと「アマリリス」の作曲者ルイ13世だった。


 なのに!それなのに!、、、最近アマリリスを聞いたときびっくりした。作曲者が違うのである。作曲ヘンリー(アンリ)=ギスとある。ヘンリー(アンリ)=ギスって誰?ギスさんには申し訳無いが、私は知らない。早速ネット検索してみた。

 そうすると、ヘンリー(アンリ)=ギスは19世紀のフランスの作曲家・音楽史研究家・ピアニストで、あのボレロで有名なラベルを7歳ときから教え、彼を世界的音楽家に導いたピアノ教師としても有名とある。それで私は納得した。

 私は前にこのブログでラベルのボレロについて書いたことがある(※リンク)。15分間同じ旋律、同じリズムの繰り返しだと。私が「みんなのうた」で聞いた「アマリリス」も9番まであったが、同じ様に、基本「ラリラリラリラ」の繰り返しである。そうか、そうか世界の「ボレロ」の原点は「アマリリス」にあったのか。作曲者からルイ13世の名前が消えたのは残念だったが、「アマリリス」と「ボレロ」が繋がる仮説を見出し、私は十分に納得した。

 なのに!それなのに!、、、また新たな事実を発見してしまった。ネット検索していて。検索しなければ良かったと後悔している。なんと「みんなのうた」の9番まである「アマリリス」は日本の、NHKのオリジナルで、原曲は2番までしかないと、、、私の中の「アマリリス」と「ボレロ」を結ぶ糸はプッツリと切れ、仮説は脆くも崩れていった。 




 そんな、私の中の作曲家論争を他所に、小名木川畔のアマリリスは、炎天下に見事咲き誇っている。ブルボン王朝!ルイ13世!ラベル!ボレロ!、、そんなところを彷徨っている間に、大ぶりで派手なこの花に、「アマリリス」の名はピッタリと相応しく思えてきた。


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