《写真短歌》マイボタニカルライフ(11)四長、「植物男子テーブラー&ガーデナー」と称する。
いとうせいこう氏がNHKの朝ドラ「らんまん」に植物学者里中芳生の役で出演している。いとうせいこう氏と言えば、話題曲「夜霧のハウスマヌカン」を作詞、「想像ラジオ」で芥川賞の候補となるなど多彩な才能の持ち主であることは、私は以前より知っていた。でも、、私の中で彼の存在が決定的になったのはごく最近で、娘から彼の名著「ボタニカルライフ」を勧められて読んでからである。
「ボタニカルライフ」が名著である所以は色々あるが、私は次の二つであると考えている。一つは「氏の個々の植物に対する限りない愛情」二つは「ラッパーでもある氏の真骨頂でもある軽妙な文体」である。この2点に於いて、氏は私より6歳年下ではあるが、私は彼を師匠としてリスペクトしている。
そんな、ボタニカルな(植物への愛情と造詣が深い)氏を植物学者に起用したキャスティングは見事である。ドラマ全体も植物へのリスペクトに溢れていて、見ていて気持ちが良い。(願わくば、「らんまん」には植物学者でもある「帝都物語」の作者荒俣宏氏も植物学者として起用して欲しいものだ。いとうせいこう氏との学術論争場面など想像するだけで面白い。)
さて私は現在、尊敬してやまない氏に習い、私なりのボタニカルライフを送っている。そして「マイボタニカルライフ」なる記事も、過去この「仙台堀日記」の中で10回に亘り掲載した(※参照・第1回にリンク)(メニュー→連作→マイボタニカル・ライフで全作見ることができます)。
唯、氏と私のボタニカルライフは大きく異なる。氏は本の中で自らのことを「庭のない都会生活を選び、ベランダで花を育てる『ベランダー』」と称しているが、私にはそのベランダさえない。正確に言えば、マンションにベランダはあるが、そこは家人の領土だ。最初は家人にベランダの一部割譲を申し入れようと思ったが、交渉は相当難航が予想される。領土問題は拗れると厄介だ。交渉開始前に敢えなく断念した。そうなると私の自由となる植物育成&観察空間は事務所の机の上しかない。私は「ベランダー」にもなれぬ、「テーブラー」となることを余儀なくされた。
少し落ち込んだ。でも、でもである。私は発想の転換は得意だ。すぐに前向きな発想が浮かんだ。「そうだ、私はしがない『テーブラー』かもしれない。でも私には庭がある。延長3.7km、総面積10.4haの広大な『仙台堀川公園』がある。私は「テーブラー&ガーデナー」なんだ。」と、、、こうして「マイボタニカルライフ・屋外編」が始まった。


