《写真漢詩》四長、富山で蜂の世界を語る(富山吟行5)。


  富山県南砺市の朝の田園風景である。昨年の夏訪れ、宿のベランダより眺めていたら何かが飛んでいるというか、空中を浮遊している。ドローンである。早速、漢詩が出来た。

 ドローン、名前の由来は「雄蜂」である。回転するプロペラの音が、雄蜂の羽音(煩い)に似ていることから来ているそうだ。蜂の種類によって違いがあるようだが、通常雄蜂は働かない。一方、ドローンは働きものだ。この写真のような農薬の散布、映画の撮影、離島への荷物の輸送と活躍の範囲は拡がっている。最近では戦争の武器としても使われている。雄蜂は針を持たず人を刺さないのに、、、

 雄蜂は、働かないが重要な役割を持っている。言うまでもなく女王蜂と交尾して子孫を残すことだ。そのために普段は、働き蜂に餌を貰い、ぶらぶらと遊んでいることが許される。「イイご身分だ!羨ましい!」と思っている貴方!、、甘い!蜂の世界はそんな甘いものではない!女王蜂と交尾できるのは選ばれし一匹。その他大多数は、生きて来た意味も見出せないまま、死んでいくことになる。(交尾が終わると雄蜂は完全にお役御免で、働き蜂は雄蜂に餌を与えることを止める。交尾終了後、蜂の巣近くの地面に転がっているのは、そんな餓死した雄蜂たちなのだ。)


 最近、ある大手清掃会社の新事業の案内で「ドローンが蜂の巣退治!」という宣伝コピーを見た。おそらくスズメバチの巣まで、ドローンが飛んでスズメバチを駆除するのだろう。人間が近づくことが出来ない場所へドローンが近づき仕事をする。正にドローン活用の王道だ。グッドアイデア!グッドジョブ!でも、、、宣伝コピーがシュール過ぎないか?コピーの考案者はドローンの名前の由来は知っていたのだろうか、、、

 その清掃会社の名は「ダスキン」、社名は「ダスト」と「ぞうきん」の合成語だそうだ。素晴らしいネーミングだが、余りに直截的で逆にシュールだ。因みにダスキン、たしかドーナツも売っている。


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