《写真漢詩・短歌》四長、躑躅に圧倒される。
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2023年4月13日仙台堀川公園 |
仙台堀は今、躑躅が満開だ。例年より十日は早いだろう。四月の陽光の下。実に綺麗に輝いている。そんな躑躅だが、実は私にとって大変手強い相手でもある。理由は2つある。1つは「躑躅はある日突然私の周辺を支配する」ことだ。私のサラリーマン現役時代、忙中閑あり(そんな振りをしていただけのことかもしれないが)ってときに、気が付けばもう近くの公園や緑道は躑躅にすっかり制圧されていた。現役を引退して、今や本当に閑中閑ありとなったので、これからは躑躅が少しづつ咲いていくのをじっくり味わい観察しようと心に決めた。でもやっぱり無理で、散歩の際気が付くと完全に周りを躑躅に囲まれている、、、手強い、、でもそんな感じは嫌いではない。そんな心境を詠んだ短歌と漢詩だ。
もう1つの手強い点は、「躑躅という漢字の難しさ」だ。現役時代、「何故こんな誰も書けない字にしたのだ!しかも2字続けて!」と思った。私はもう記憶して書くのは諦めて、その都度辞書を引くことにした。そんな心境を短歌に。
でも、本当に何故こんなに複雑な字を2字重ねたのだろう。そして何故、植物なのに木偏や草冠では無く足偏なんだろう。閑中閑あり!時間はたっぷりある。調べてみようと意気込んだが、答えは意気込んだ割にネットで意外と簡単に分かってしまった。
「躑」も「躅」も「足踏みする」、「足を止める」の意で、「躑躅の花があまりに美しいので思わず足が止まる」ことから来ていると。成程!納得したが、その後に書いてあることの方がもっと重要だった。「躑躅には猛毒(グラヤノトキシン等)を持つ品種があり、羊が食べて足踏みして死んでいく様から来ているとの説も」と、そのことから「羊躑躅」と呼ぶこともあるとのこと。(ある量以上食べると牛でも死に至ることもあるそうだ。)
そうか、知らなかった。仙台堀に羊や牛はいないから大丈夫だが、ペットの犬たちは、念の為飼い主が躑躅に近寄らせない方が懸命だ。躑躅は、やっぱり私の考える以上に手強い相手だった。