《写真短歌》四長の『酒・四季物語』(旨い酒を飲むために、、、)


  サラリーマン時代、私は「酒が強い」と呼ばれた。その時代、まだまだ昭和の名残りが色濃く、「酒が強い」というのは、男の勲章だった。(健康診断のγ-GTPの高さを自慢し合っているような時代だった。)

 当時は、会社で飲みに行けば、一次会では終わらない。二次会は当たり前、三次会もそんな珍しい話ではなかった。必然、終電はもう無く、皆んなタクシーに分乗して帰還したものだ。

 三次会まで行けば、ドラマも生まれる。今考えれば、信じられないような事件も、、、酒に強いと言われた私は大概起きた事件は記憶していた。今も時々思い出す。幸い懐かしい思い出が殆どだ(勿論、時間が美化してくれた)。

 唯、そのときの「酒の味」を思い出せない。二次会、三次会に至ってはどんな種類の酒を飲んでいたのかすら全く覚えていない。「酒に強い」という勲章の意味は、恐らくは「酔わないように、酒を殺して飲んでいた」ということかもしれない。少し勿体無かったかな、、、


 でも、リタイア後の今は違う。飲んだ「酒の味」はしっかり覚えている。どんなワインを、どんな日本酒を飲んだのか、何杯目に何を飲んだか迄覚えている。過去半年分くらい、書き出せと言われれば、正確に書き出せると思う。

 そして私は、遂に「究極の酒を旨く飲む極意」を習得した。酒の旨さを左右する変数は色々ある。「飲む酒の種類」、「飲む酒の値段」、「酒を飲む場所」、「酒を入れる容器」、「酒を飲む相手」etc、etc、、

 例に挙げたどの変数が、一番「酒の味」に影響するか?と問われれば、どれも一票入れたくなる変数だ。しかし、正解は別にある。一番「酒の味」に影響する変数は「酒を飲むときの健康状態」だ。体調の悪いとき、無理矢理飲む酒ほどまずい酒は無い。二日酔いの日の迎え酒なんて、私は旨いなんて思わない。

 それ故、私の極意は「酒を旨く飲むために、健康に留意する。」だ。充分な睡眠、適度な運動、その日の旨い酒には欠かせない。私はそのための努力を厭わない。精神状態の安定も絶対必要だ。飲む前に誰かと言い争うなんて愚の骨頂だ。私は旨い酒を飲むためなら、大概のことは我慢出来る。私は大人だ。

 そして私は、飲酒については、長期的視野も持っている。γ-GTPも、血圧も、血糖値も、長いこと旨い酒を飲むためには重要な指標だ。私は、それら数値改善のため人間ドックの直前だけは禁酒することにしている。実に偉い奴だ!自分を褒めてやりたい!

 もう誰も私のことを「酒が強い」とは言わない。代わりに最近言われるのは、「美味しそうに飲みますね」とか「結構、気持ち良く酔ってますね」とか、、、そして「本当にお酒好きですね。」とかだ。それがとても嬉しい。



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