《写真漢詩》柿田川は何処にある?
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| 湧水口付近の柿田川の流れ、所々でボッコボッコ水が湧き出ているのが分かる。 |
柿田川湧水群である。2021年晩秋訪れた。富士山の雪解け水や雨水が、8500年前の富士山噴火による三島溶岩流塊に浸透、25年〜28年かけて地上に湧き出たものである。水温は一年を通して15°Cを保ち、湧水量も1日約100万㎥と安定し、「東洋一の湧水」と言われてきた。
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| 湧水の「わき間」 |
柿田川公園の第1、第2展望台からは、実際水が沸き出る「わき間」を見ることが出来る。円形に造られた湧水口から、ボッコ、ボッコと湧き出る水は、何処までも透き通っているが、光線の加減か明らかに青い。水色とはこの色を言うのだと改めて実感した。20数年前に、富士山に降った雪が、この水なのかと思うと、時間と空間を超える自然の仕組みに感動!もはや神の領域である。
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| 柿田川公園内を流れる柿田川 |
ところで、私は1982年夏から1985年夏まで、会社の転勤で、この湧水群のある駿東郡清水町の隣の沼津市に住み働いていたが、この湧水群のことは知らなかった。存在を知ったのは、私がこの後千葉に転勤になった直後の1985年の秋、柿田川湧水群として名水百選に指定された時だ。その後柿田川も、長良川と四万十川と並ぶ「日本三大清流」と数えられるようになった。
それを知った時の印象と言えば、「沼津にいるときに訪ねておけば良かったな」であるが、もう一つ、「柿田川って川は一体何処にあったんだ?」という素朴な疑問も湧き起こってきた。当時の沼津駐在といえば、テリトリーは伊豆半島全体で、沼津市・三島市・清水町などは隈無く走り回っていた。でも、柿田川という川は見たこと無いし、川に掛かる橋も渡ったことが無い。長良川と四万十川と並び称される一級河川なのに何故だ?その瞬間は結構疑問に感じたが、地図を調べることなく、そのうち忘れてしまっていた。
その疑問が、35年ぶりに解けた。柿田川公園の案内板に答えはあった。何と!柿田川は、日本一短い一級河川だったのだ。全長、約1,2 km。上の国土地理院の地図の中央を南北に流れるのが柿田川だ。湧水口から湧き出てすぐに狩野川と合流してしまうのだ。これなら当時、お目にかからなかったことも納得だ。でも、、、清流といっても長良川と四万十川と並び称すのは如何なものか?私は違う次元の川だと思うな、、、




