《写真漢詩》大阪経済人の意地を見せてくれ!(大阪吟行3)
会社の仕事で関西に出張すると、私は何か外国に来ているような気がしていた。特に大阪出張のときはそれが顕著だった。外国って例えば何処?と聞かれれば、私は即答する。フランスだ!そう、大阪市の中心部はパリなのだ。エッフェル塔代わりに「通天閣」が、サン・ジェルマン大通りの代わりに「御堂筋」が私を迎えてくれた。そしてノートルダム大聖堂があるセーヌ川に浮かぶシテ島は「中之島!」。中之島は、写真の通り堂島川と土佐堀川に挟まれた中洲、どちらの川沿いを歩いても、気分はすっかりセーヌ河畔の散策だった。(ここ迄来ると、大阪も確信犯だ。パリの都市景観を真似たに違いない。)
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パリのシテ島 |
明治後半から大正にかけて、この中之島には、大阪市庁舎、日本銀行大阪支店等々、大阪の政治・経済の中枢が建てられた。いずれも堂々の石造りで貫禄だ。その後、大阪市中央公会堂や中之島図書館等の文化施設も、次々と建てられた。その何れもが当時の名建築家の設計で、今も現役で活躍している。そして驚くべきことは、これらの建物の多くが、住友本家をはじめとする大坂経済人の寄付で建てられということだ。浪速商人と言えば倹約家というのが通り相場だが、「出すべき時には、しっかりと出す。」、それが彼らの真骨頂だったのだろう。
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日本銀行大坂支店(東京駅と同じ辰野金吾設計) |
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大阪市中央公会堂(歌舞伎座、明治生命館で知られる岡田信一郎原案・辰野金吾設計)・「北浜の風雲児」と呼ばれた相場師・岩本栄之助の寄付で建設された。 |
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中之島の新名所!「大阪中之島美術館」 |
そんな大阪だが、今、私は心配している。2025年開催の「大阪・関西万博」だ。迷走気味というか、昨今の報道によれば、開催が危ぶまれるレベルみたいだ。とうとう大阪に任せ切りに出来ないと岸田首相が乗り出して、経産省主導でやる勢いだ。
私は、そもそも現代の成熟した日本で万博開催が必要なのか?と正直疑問に思っている。(東京オリンピックだってそうだった)。でも一旦やると決めた限りは、しっかり大阪主導でやるべきだ。関西、大阪経済人の意地を見せて欲しい。(昔みたいに寄付しろとは言わない。投資して経済効果で回収するビジネスモデルを考えて欲しい。)
東京の力を借りるなとも勿論言わない(水面下でしっかり、人も金も知恵も東京に出させれば良い)。でもあくまでも主導権は大阪だ!浪速のど根性でやり抜いて見せるって言って欲しい!それが「大大阪」の末裔としてのプライドの筈だ!間違っても「万博は日本国としての事業でして、、、」なんて言い訳めいたセリフは聞きたくない。今が恐らく「世界の大阪」復権への正念場だ。頑張れ大阪!