《写真漢詩・短歌》四長の大阪ブギウギ!(大阪吟行2)
大阪ミナミの法善寺の「水掛け不動」だ。もはや原型を留めていないが、昔からの大阪の恋のパワースポットだ。私が5歳くらいの頃、「月の法善寺横町」という歌謡曲があった。確か藤島恒夫という歌手が歌い、大ヒットした。少し甘い鼻にかかった声、歌の途中でセリフが入るので、子供たちも面白がって真似をしていた。だから歌詞を今も覚えている。サビは「若い二人の思い出にじむ法善寺 月も未練な十三夜」だ。
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道頓堀・有名なグリコの看板 |
あの頃は大阪が元気だった。私の住んでいた名古屋だと、テレビ番組の半分くらいは、大阪のテレビ局の制作だったように記憶している。だから、このミナミ近くの地名は、歌やドラマ、漫才や新喜劇に頻繁に登場していたのでよく覚えている。「法善寺」「道頓堀」「心斎橋」「戎橋」「新世界」「通天閣」、いつかは行って見たいと憧れた。(外国みたいな感覚だった。)そしてテレビの中で語られる言語も新鮮だった。大阪弁だ。(子供心に名古屋弁より、ずっと洗練された印象だった。)特に女性が話す大阪弁が好きだった。これは大人になっても続いている。仕事で大阪に出張して、女性が大阪弁を話すのを聞くと、それだけでその人を魅力的に感じたものだ。
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宮本輝「道頓堀川」の舞台 |
そんな大阪弁が、10月から毎朝テレビで流れている。NHKの朝の連続テレビ小説「ブギウギ」だ。大阪の下町(福島区?)が舞台で、主人公の子役が使う大阪弁が気に入っている。ストーリーもまだ第一週目だが、早くも引き込まれる。展開が上手いなと思ったら、足立紳の脚本だった。足立紳といえば、映画であれば、「百円の恋」、「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」、「喜劇 愛妻物語」(監督も)、テレビドラマであれば、「拾われた男」(NHK)を書いた私が大好きな、そして今一番油の乗った脚本家だ。心配していた「らんまん」ロスは杞憂だったかもしれない。
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道頓堀にかかる戎橋!やっぱり大阪は面白い! |