《写真漢詩》四長、「左大仏殿道」で古都・奈良の魅力を語る。(飛鳥・大和路吟行シリーズ7)


  「左大仏殿道」、大好きな奈良町散策のコースの中でも、一番気に入りの坂道である。目に映った情景は上の七言律詩の漢詩の通り、耳に聞こえた音も行間から感じて頂ければと思う。「古都」の昼下がり、これから訪れる夕暮れの気配も少し感じる時間帯だ。

 「古都」、日本人の心の故郷だ。私は日本で「古都」と呼ばれる資格を有する街は、厳密には二つしか無いと思っている。奈良と京都である(鎌倉は少し微妙だ)。二つとも素晴らしい街ではあるが、私の二つの街の印象は全く違う。

 時系列で言えば逆になるが、先ず京都!京都は千年の都!それに相応しい『落ち着き!』『成熟!』『洗練!』。それらが私の「京都」の印象を形作っている。

 一方の奈良!言うまでもなく奈良は京都より古い都である。そして日本で初めての本格的な首都である。それなのに、旅行会社が、二つの街を並べるときは「京・奈良観光」という様に、京都が先に来て、奈良は京都の弟分の扱いを受けている。奈良の人にとっては納得がいかない話だ。


 人口や面積の差!勿論それもある。でも、私は「奈良弟分扱い」は、奈良の『若さ』が原因の一つになっていると思う。そう!『若さ』!私には奈良の方が京都よりずっと若い印象なのだ。

 近時再現が進む平城京跡の大極殿!当時の姿をそのまま残す東大寺や興福寺の大伽藍!、私は、それらに極東の新興国家の首都として、中国や朝鮮の国々と伍して行こうとする時代の、国の『荒削りな若さ』を感じる。そして、それは百年にも満たない短い期間で、都の地位を「京都」に奪われ『永遠の未完成・未成熟となった無念さ』迄も含んだ『若さ』でもある。

 その印象が為せるのか、私は「俺も歳をとったな」と少し気分が老け込んだときは、「そうだ!『若さ』を貰うため「奈良」に行こう!」と思う。(「京都」に行こうとは思わない。)




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