《写真漢詩》四長、白馬村で隈研吾の「負ける建築」に出逢う。(安曇野・白馬吟行・夏6)
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| 正面の設計は、周囲の環境に溶け込む工夫が感じられる。 |
このベース基地、上の写真を見ての通り、正面はスタイリッシュであるが、割と普通で目立たない印象だ。でも入り口の自動ドアが開くと印象が一変する。屋内から見た夏の白馬連峰は圧巻である。見事な「額縁効果(※リンク)」!一幅の絵画のようだ。屋外から眺めるよりずーっと素敵な山並みに、私には感じられた。
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| 見事な額縁効果! |
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| 山側、結構派手だ! |
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| この木組みで、誰の設計か想像出来る。 |
そう、この設計者は隈研吾!今をときめく現代日本の建築界の第一人者だ。国産の木材をふんだんに使った設計に定評がある。最近、世間の耳目を集めた新国立競技場や高輪ゲートフェイ駅、角川武蔵野ミュージアム、赤城神社、皆んな皆んな彼の設計である。
その全てに共通する彼のコンセプトがあり、それでいて、それぞれの立地の特徴を生かした個性がある。素晴らしいと思う。私は彼のファンであると言って良い。
けれど、だいぶ前になるが、彼のインタビューを聞いた時は、少し違和感を感じた。彼曰く「自分の建築のコンセプトは、周囲と調和する『負ける建築』である。」と、、、『負ける建築』、、、そうかな十分に勝っているような気がするんですけど、、、前述の角川武蔵野ミュージアムや、M2ビル(東京メモリードホール)、富山ガラス美術館、銀座のティファニービル。皆んな周囲から際立って目立っているような気がした。ずーっとそう思っていた。
でも、この「スノーピークランドステーション白馬」は、少し違うかな?これは確かに「負ける建築」かもしれないなと思わせる何かがある。周囲の環境と調和させるための配慮が、自らの気配は消しながら、主役の白馬連峰を勝たせ、生かし切る思想が感じられる。そしてその思想は建物の中でより強く感じられる。
「負ける建築」の中から眺める夏の白馬連峰は一際美しい。山容がしみじみと心に沁みてくる気がする。「負ける建築」とは、その中に入った人の心をゆったり落ち着かせるものかもしれない。隈研吾の「負ける建築」の意味が、この日は少し分かる気がした。
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| 写真はiPhoneで屋内からガラス越しに撮影、後で拡大した。 |




