《写真短歌》四長、富山の男の矜持に乾杯する(富山吟行9)。

  富山の男は頑固かもしれない。頑固と言っても酒の銘柄への拘りの話だ。娘の義父は生粋の富山っ子の様だ。温厚、いつも笑顔で、私の娘のことを本当に可愛がってくれる良きお父さんであるが、酒の銘柄については絶対に譲らない。『立山の熱燗!それも二級酒』。私が「銀盤、満寿泉、富山には全国的に有名な酒蔵が色々ありますね?」と水を向けても、「確かに色々ある。でも自分は『立山二級』しか飲まない。飲んだことがない(飲んでいるのを見たことあるが)。」となかなか頑固だ。私は娘の義父は筋金入りの立山ファンなんだと納得した。

 それから、暫くして会社の後輩と飲む機会があった。途中から彼が富山出身であることを知り、好きな酒を聞くと、彼も迷わず「立山」と答える。驚いて娘の義父の話をすると、彼曰く「富山の自分より年上の男性の半分以上は、好きな酒の銘柄を聞かれれば、『立山、それも二級酒』と答えるだろう」と、、、そうか、やっぱり、凄いな『立山』!『立山酒造』!

 ググれば、『立山酒造株式会社』、富山県砺波市にある北陸屈指の酒蔵。なかでもラベル表記から『酉印』『立山二級』と呼ばれる『銀嶺立山・本醸造(旧・普通酒)』が、淡麗辛口であることから人気が際立つとある。成程!短歌も浮かびました。


 冬、雪空・曇り空に覆われることの多い北陸富山、たまに快晴の日、ピンと澄み切った空気の中、姿を見せる銀嶺立山!そして夜、その名を冠した銘酒『銀嶺立山』の熱燗でグイッと体を温めながら昼に見た霊峰を語る。イイね!これでわかったような気がした。『銀嶺立山』は富山の男の「矜持」そのものなんだと。二級ってのもちょっとシャイな感じでカッコイイ。

私の短歌を娘の義母が富山の書家に頼んで色紙にしてくれた。中央の「立山」が大迫力だ!



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