《写真短歌》四長、富山で乗り鉄になる(富山吟行4)。
2019年夏、中欧のハプスブルグ3都市と呼ばれるウィーン・プラハ・ブタペストを訪れた。3都市共通して印象に残った光景がある。トラム(路面電車)が頑張っていた光景である。「頑張っていた」と何故か擬人化した表現を使ってしまったが、トラム(路面電車)には何処か擬人化が似合う。愛嬌があり、思わず応援したくなる。
地下鉄には抱かない感情だ。地下の線路を誰に邪魔されることなく走る地下鉄に対し、地上を走る路面電車は結構大変だ。自動車や通行人たちと、時に譲り合い、時には優先権を主張し合って、日々苦労して運行している。それ故、人々は路面電車には愛おしさが募り、ついつい擬人化してしまうのだ。
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プラハ市内 |
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ブタペスト市内 |
そんな路面電車であるが、ヨーロッパでは環境問題、バリアフリー、低騒音、輸送能力等々を解決するゲームチェンジャーだ。今や都市交通、いや都市経営の要になりつつある。石造りの古い街並みと、モダンな機能美が不思議に融合し、観光客の評価も上々だ。
日本でもLRT(Light Rail Transit)と呼ばれ、各都市で導入が相次いでいる。抱える問題はヨーロッパのそれと同じだが、日本の地方都市には、それプラス少子高齢化、東京への一極集中・過疎化の進行がより重くのしかかる。コンパクトシティへの移行がより急務で、その必須アイテム、LRTの導入は今後益々加速するだろう。
そうした中、導入都市で最も成功しているといわれるのが富山市だ。成功の秘訣は色々あるみたいだが、私は富山の路面電車の愛らしいラインナップに注目している。思わず擬人化して名前も付けたくなる顔ぶれだ。
撮り鉄、乗り鉄も大集合!観光資源としても大活躍だ。