《写真短歌》四長、アマルフィイ・デラセーラで誕生日を祝す。(後編)(湘南吟行シリーズ2)

  昨日の前編に続く後編です。

 湘南のレストラン、アマルフィイ・デラセーラには、若者のカップルが多い。恐らく私たち夫婦が最年長だ。その理由は景色が綺麗で若者が恋を告白し語り合うのに相応しい。基本的にテラスレストランなので寒い。色々浮かぶ。皆んな当たっているが、決定的ではない。決定的理由はこれだ!「高い崖の上にあり、ある年齢以上、、膝や腰が悪い人には辿り着けない場所にある。」である。

 七里ヶ浜の江の電沿いに歩き、店の小さな看板を見つけたら、江の電(踏切は無い)の線路を越える。そして、後はひたすら崖を登るのである。最初登ったときはもう永遠に辿り着かないかと思ったくらいだ。そのため辿り着いた瞬間、それだけでかなりの達成感は約束されている。

下り、階段の途中から見上げたアマルフィイデラセーラのテラス

 一方、下り、これは老人には結構危険だ。日没のショーを見た後だから、当然足元も暗くなっている。階段になっていないところもあり、より注意が必要だ。膝への負担もあるだろう。 
 でも、その日は気にならなかった。飲み干した南イタリアの赤ワインの所為で気持ちが大きくなっていることもあるが、やはり、「誕生日の本日、あの崖を登り切り、あの場所から自然の大パノラマを眺め、世界で一番(個人的見解です)美しい瞬間に立ち会えた。」と言う満足感が大きかったと思う。


 崖を降り切って、七里ヶ浜に着けば、そこでもご褒美があった。空を見上げれば、東京では見えない星々が輝いている。潮騒も崖の上とは違い優しく私を包み込む。その日最後の短歌も出来た。


来年の誕生日の頃、また訪れよう。「アマルフィイ・デラセーラ」。

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