《写真短歌》四長、アマルフィイ・デラセーラで誕生日を祝す。(前編)(湘南吟行シリーズ1)

  本日、5月6日は、私の誕生日である。勿論、もうとっくにお誕生日会を開いて貰う歳ではない。でも、自分で自分を「よくぞ、今日まで頑張ったな。偉いぞ。」とお祝いすることは、褒められて伸びるタイプの私には絶対必要なセレモニーである。と言うことで少し早いが、先月27日、湘南のレストラン、アマルフィイ・デラセーラへ家人と二人行って来ました。

(そこで、今日と明日の2日間、その湘南のアマルフィイの夜を時系列でお伝えしたい。何故そんなのに付き合わなければならないのか?、、うーん、それは誕生日に免じてとしか言いようはありません。)

 予約した午後5時、アマルフィイ・デラセーラに到着、このレストラン、席の事前指定予約は不可だ。でも誕生日を祝してくれるように、テラス西側の特等席に案内された。この席であれば、これから始まる壮大な自然のドラマが満喫できるはず。期待は高まる。まず序曲のように迎えてくれるのが、潮騒だ。轟音と言って良いくらいの騒がしさなのに、不思議なことに時間が経つと感じなくなる。自然が創り出す音だからだろうか、、目の前には、相模湾の水平線が広がる。地球は確かに丸い。そして西側に目を向ければ、波打ち寄せる七里ヶ浜、その左側にどっしりと存在感を示す江の島が見える。そのバックは丹沢か、箱根の連山か。富士は目を凝らせば、やっと輪郭が確認出来るくらいだ。まだ陽は白く高く、その陽に照らされて、江の島の前の海面がキラキラと輝く、正に「光る海」だ。美しい。


 5時半を過ぎると、陽が傾いてくるのが実感できる。暫くすると海岸線から80度くらい(感覚的です)佇立する岩壁にその姿を隠して行く。そして最後の光が矢のように、レストランの私たちの席を射貫く。この矢に射貫かれても気分は悪くないし、眩しくもない。家人の顔が輝いて見える。


 6時を過ぎると、更に不思議なことが起こる。陽が完全に岩壁に隠れた数分後だ、江の島、箱根の山並みが茜色に染まり始める。そして、その時だ。今まで隠れていた富士山が、茜色の中、徐々にそのシルエットを明らかにしていく。正に真打ち登場だ!思わず掛け声をかけたくなるが、思い止まる。空気は読める方だ。


 周りを見渡せば、観客はほぼ若いカップルだ。西から吹きつける潮風は、陽が落ちれば、グッと冷たくなる。ちょっと寒い。カップルは皆、思わず肩を寄せ合う。(潮風も自然なのにイイ仕事をする。)私はオーバーでなく思う「世界で一番美しい瞬間(とき)」が今じゃないかと。短歌も出来ました。


 因みに、もう読者の皆さんはお気付きかと思うが、上の短歌で囁いた君は私の家人ではない。隣の若いカップルの会話が潮風に運ばれて私の耳に届いたのだ。でも私と家人も実感していた。「ハッピー・アワー」だと。口に出さないだけ、、、もう長い付き合いだ。


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