《写真漢詩・短歌》四長、弘前の桜の守り人を讃える。

 



 4年前、2019年5月1日の「弘前さくら祭り」の写真が出てきた。雨混じりの曇天で岩木山も霞んでいる。でも枝垂れ桜の華やかさが、それを補って余りある。思えば、この後3年間、コロナ禍でさくら祭りは中止を余儀なくされ、今年4年振りに開催ということだ。冬の間、雪に閉ざされる弘前のさくら祭り、通常年でも地元の人の桜を待ち侘びる気持ちは、東京人のそれとは全く違うものだろう。ましてやそれが4年振りとなれば、今年の祭りの盛り上がり如何程だろう。想像すれば、こちらも少し涙ぐましくなるほどだ。


 この3年間、弘前の桜に関わる人たちが、どのようにこのさくら祭りの期間を過ごしてきたかを先日、NHKのドキュメンタリーでやっていた。内容は、通常の祭り期間は城内が人で溢れ返るので出来ない様々なこと、例えば植物学者の研究や観測、記録映画の撮影、桜守りの人たちの桜樹一本一本の健康診断や手当てを、このコロナ禍を逆手にとってやり遂げたと言うものだ。それらは、本当に粛々と計画的に行われていった。そしてそれらが、正に桜の立場に立って行われているのが分かり、私は感銘を受けた。最後に地元出身の世界的アーティスト奈良美智氏が「このコロナ禍は、桜にとって見れば、大変良い休養期間になったろう。」と発言していたのも印象的だった。「桜と共存する街・弘前」その言葉に偽りは無い。

 そんな、皆さんの苦労、活躍もあり、今年の弘前の桜は休養十分で一際鮮やかだろう。祭り期間中の好天を東京からお祈りする。



 最後に短歌を一つ、そんな今年の弘前の桜、いや日本の桜も、もうすぐ終わるだろう。残念だが、それも桜の宿命だ。散り際の美しさを愛で、来年を待つしかない。





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