《写真漢詩》四長、MOTを自慢する。

   東京都現代美術館(MOT)である。私の家からは、仙台堀川公園を抜け、たどり着く木場公園の敷地内にある。完全に私の勢力範囲にある。そこで現在「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ」展を開催している。これが大盛況!予約も満杯で地域住民である私も見に行くことが叶わない。仙台堀と木場公園は『我が家の庭』と認識している私には、全く納得感が無い話だ。しかし、最近人間が出来てきた私には、少し嬉しい気持ちもある。

 それはこのMOTが、1995年に開館した当時、随分な言われ方をしていたからだ。著名な建築家であるI 氏からは「粗大ゴミ」、所蔵のコレクションについては、ときの都知事のI 氏から「無そのもの」「笑止千万」と言われた。(そうしたマイナスキャンペーンが奏功したのか、暫く閑古鳥も鳴いた。)

 地元贔屓の私は、江東区の文化性を否定されているようで、悲しい気持ちになった。特に都知事の発言は都立の施設であるMOTで働くキュレーターたちには理不尽な話だと憤りさえ覚えた。

 それがどうだ、今やMOTの悪口を言う人を聞かない。それどころか、サブカルチャー的な人気企画もありこの盛況だ。舞台衣装や海外で活躍するデザイナーの展覧会(ファッションショーもあり)など服飾系の催しの際は、入場制限まである。女性の人気スポットになった。正に「現代」を冠するに相応しい美術館になったと誇らしい。

 そんな、MOTだが、私には開館当時からのお気に入りの常設展示がある。その展示を詠んだ漢詩(七言絶句)とともにご紹介したい。

 作者は宮島達男、作品名は「それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く」だ。最初この作品名を聞いたときは、何だ!この長ったらしい名前は!と思った。しかし、この展示だけのために設けられた赤い部屋で、壁の点滅する数字を見つめていると(あまり見つめすぎると老眼には宜しく無いが)その意味が分かってくる(分かったような気がしてくる)。

 百聞は一見に如かずだ。是非!我が江東区の誇り、動き続けるコンテンポラリー・アートの殿堂「東京都現代美術館(MOT)」へ「もっと」お越しあれ!ご覧あれ!

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