《写真漢詩》深川妄想夜話

  江戸時代の深川は、現代の江東区深川より十倍以上広い地域で、池波正太郎・藤沢周平・山本一力の時代小説の主要な舞台となりました。そんな深川に宵闇が迫ると、私の頭の中の「江戸」が起きてきます。昼の間は眠っていたのが、運河の西方が茜色に染まってくると、ムクムクと色んな妄想が湧いてきます。どうやら私の江戸は夜行性みたいです。

  深川の夜を舞台にした漢詩「深川宵噺」シリーズも生まれました。その中から2詩紹介します。まず仙台堀の夕焼けを見ていて降りてきた七言絶句。

 詩にある木場の旦那は、江戸の豪商、紀伊國屋文左衛門をイメージしています。仙台堀の名前の由来となった仙台藩の蔵屋敷の隣に、江戸の大商人「紀伊國屋文左衛門」の豪邸(現在の清澄庭園)がありました。幕府お抱えの材木商でもあった文左衛門ですが、吉原の豪遊でも名を馳せていました。毎夜、仙台堀から舟(猪牙船)で吉原へ繰り出していたのでしょう。(吉原とくれば、もう妄想も絶好調です。)

 次の七言絶句は、ズバリ鬼平(池波正太郎の「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵)をイメージしています。池波作品の好きなところは、小名木川、横川、そして仙台堀川と深川の運河や水運の状況が、かなりリアルに描かれているところです。運河上での捕り物や船宿での密談とか、中には「仙台堀に船回しておけ!」とセリフにも直接使われたりします。(そんなセリフが私の妄想を、より掻き立てます。)



「如何ですか?妄想から生まれた漢詩?」「お前の妄想から生まれただけあって、情けない出来だ。」、わかっていますよ!そんなこと!でも妄想を馬鹿にしてはいけません。池波正太郎・藤沢周平・山本一力も、みんな始めは妄想から物語を紡いでいったのだから。(これも私の勝手な妄想です、、、)

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