《写真漢詩》ブログ開設記念海外編19(サグラダ・ファミリアNO.8)

  ガウディは、晩年合唱隊に通っていたそうだ。単に音楽が好きだったという説もあるが、最近では、サグラダファミリア全体を1つの大きな楽器として構想しており、その構想実現のために彼なりに音がどのように伝搬され響くのかを、合唱隊で確認していたという説が有力だ。また、彼の弟子の話では、聖堂の完成時には鐘楼から84もの鐘の音が響くことになるため、内陣の賛美歌の大合唱とのバランスを、鐘楼の下部構造をマフラー(消音器)にすることで調整するなど、ガウディはかなり本格的に研究していたみたいだ。


成程!楽器か。そう思うと教会の外観はスコットランドのバグパイプの様に見える。

 ガウディは、今、この聖堂の地下で眠っている。晩年の彼の生活は、大聖堂の建設のためだけに時間も資産も注ぎ、しかも無報酬で働いていたため、かなり貧しく苦しいものだったようだ。今は、この聖堂の地下の一番良い場所で、頭上に響く、鐘の音、賛美歌、ミサ曲の演奏、時折企画される世界的なアーティストのコンサート等々を、自ら構想した世界で一番大きな楽器(音響設備)で聞いていると思うと、救われる。


8回に亘ってお届けした。サグラダ・ファミリアの連載も今日が最終回、明日はまた仙台堀からお届けします

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