《写真漢詩・短歌》京都吟行シリーズ(9)ダイアナと修学院離宮

  ダイアナ妃が、此処修学院離宮を訪れたのは、1986年のことだ、写真を鮮明に覚えている。(写真は此処では掲載できないが、「ダイアナと修学院離宮」で検索すれば、当時の新聞各社の写真が沢山出てくる筈だ。)

 当時は想像もしていなかったが、最近見たNetflixの「クラウン」によれば、この時は、もうチャールズ皇太子(現国王)とダイアナ妃の間は微妙どころか険悪だったようだ。そう思って当時の写真を見ると、常に二人の間に入って離宮を案内している浩宮さま(現天皇)の表情も少し複雑だ。結構難しいお役目だったんだと、今更ながらお察し申し上げた。




 私も、今回何十年ぶりに修学院離宮を訪れたが、やはり感動は大きかった。年齢を重ねたせいもあるが、一つ一つ目に映る風景が心に沁みる。日本の王朝文化の粋であるし、借景を含めて離宮のスケールの大きさは、わが国に於いては他に類を見ないものであろう。(行ったことが無いので想像だが、イギリス王家の所有する別荘にも、スケール感(あくまで感)でも遜色無く、雅さに於いては此方が優っているだろうと、日本人の私は思う。)荒んでいたダイアナ妃の心にも、日本の美が沁みたのではないだろうか。


 もう一度、当時の写真を見た。流行のスーツ姿の現国王と現天皇はお若い、でも現在の歳を重ねて、貫禄もついたお二人の姿もついつい頭に浮かんでしまう。一方で白地に大きな赤の水玉のワンピース(おそらく日の丸を意識)を着たダイアナ妃は、その圧倒的に優雅なお姿以外は何も浮かばない。白地に赤という派手な配色も、彼女が着れば、修学院離宮の静謐な空気の中で、一番相応しい色にも見えてくる。それが少し悲しく切ない。よく耳にする「ダイアナ妃は若くして亡くなってしまったけれど、それで世界の永遠のプリンセスになった。」という表現も、この時は理解できる気がした。

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