《写真漢詩・短歌・俳句》佐伯祐三のパリを旅する

  今日は佐伯祐三(1898〜1928)の美術展と、彼の作品を見て詠んだ私の漢詩と短歌と俳句をご披露したい。佐伯祐三は日本の洋画界を代表する天才画家であり、残念ながら志半ばで夭折した悲運の画家である。特にパリを描いた彼の作品には今も熱烈なファンがいる。僭越ながら、私もその一人で、複製画も画集も持っている。

我が家のリビングにある複製画

 そんな佐伯祐三だが、夭折した画家の宿命か、私はこれまで彼の実物の作品群に出逢う機会に恵まれなかった。でもそんな状況が一変する。22年早春のことだ。佐伯祐三の作品(60点)を中心コレクションとする「大阪中之島美術館」が、彼の地元大阪にオープンしたのだ。大好きな画家の、大好きな絵が、思い立てば見に行ける(逢いに行ける)。彼の作品のホーム(家)が出来た喜び、安心感がじんわりと湧いて来た。この感覚、アートファンにはご理解頂けると思う。コロナ禍ではあったが早速、新幹線に飛び乗り、オープン間も無い大阪中之島美術館を訪問し、佐伯祐三の描くパリを旅し堪能した。その時詠んだ作品がこれだ、



 その佐伯祐三の作品群が、今東京に来ている。東京ステーションギャラリーで、4月2日まで開催されている「佐伯祐三 自画像としての風景」展だ。私は2月にこれも訪れ、作品群に約1年ぶりに再会した。美術展全体は東京ステーションギャラリー煉瓦剥き出しの壁と彼の作品群が不思議にマッチ(何故かパリって感じ)、これもアリだと思った。個々の絵の展示も、前途に希望を抱き渡欧した第1期パリと、自分の死期を知り敢えて臨んだ第2期パリの作品、その違いを意識させる工夫が感じられて素晴らしかった。


 展覧会の会期はもうあと1週間しか無い。もう予定が調整出来ない!もっと早く言って欲かった!とのご批判ももっともだ。でも大丈夫、「大阪中之島へ行けば逢えます。彼の作品のホーム(家)に逢いに行けば逢えます。」お気に入りの絵、気になる絵に出逢うために、旅をすることは素敵だと思う。(かなり苦しい言い訳であることは承知だが、半分は本気だ。)

 明日はまた京都吟行をお届けします。

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