《写真短歌》ニューヨークタイムズと盛岡(6)
ニューヨークタイムズの「2023年行くべき都市」に盛岡が選ばれたことをキッカケに始めた今回の特集もいよいよ今日が最終回です。最終回の今日は「盛岡の夜」をご紹介したいと思います。「盛岡の夜」と言えば、それは断然「木伏」です。と偉そうなことを言っていますが、私は盛岡へ行くまでは、「木伏」の存在を全く知りませんした。
そして、「木伏」との出逢い、それは突然やってきました。その晩は城址公園の近くの老舗の鉄板焼きの店で美味しい岩手牛の夕食を頂き、腹ごなしにとホテルまで歩いて行くことにしました。北上川にかかる開運橋に来た時の驚きは今でも覚えています。真っ暗だと思っていた川の左岸に煌々と灯りがついているのです。それも何か整然とセンス良く、アート作家のインスタレーションの様に、、唯、じっと眼を凝らすとその灯りの中では、小さな無数の人影が動いています。北上川の激しい流れに人の声は完全にかき消されているはずですが、「こちらにおいで、こちらにおいで。」と呼んでいるような気がしました。
「木伏」は近づいてみると、バルやカフェ、ショップの集合体です。統一されたシンプルな構造の建物の中に個性的な店が色々入っていて、簡素だけれど気持ちの良い空間でした。観光客目当てではない、地元民の憩いの場といった雰囲気です。こういったところもニューヨークタイムズの推しのポイントではないでしょうか。
今日で「ニューヨークタイムズと盛岡」の連載は一応最終回と言うことです。でも盛岡に関しては、写真も短歌も漢詩も今回お届け出来なかった作品が、まだまだ一杯残っています。是非また機会を見つけて第2弾を企画したいと思います。そしてその時迄に、もう一回盛岡へ行って来るつもりです。
明日からは、またホームグラウンド仙台堀・木場からお届けします。