《写真漢詩・短歌》ブログ開設記念海外編8(ローマ・ローマの休日)

  今日もローマです。そして今日も映画繋がりです。そうローマときて、映画繋がりと言えば、勿論これです。「ローの休日」、ローマの休日を詠んだ短歌と漢詩をお届けします。

 2016年5月、まさに「ローマの休日」のラストシーンのロケ地「コロンナ宮殿」を訪れることが出来ました。アン王女がローマ愛を告白した会見会場、そして会見後、記者役のグレゴリー・ペックが歩いていた廊下。一気に映画のシーンが甦ります。

そして、現地(ローマ)に行ってみて初めて気が付くことってあるんですね。その時私が気付いたのは、「アン王女が愛したのは、グレゴリー・ペック演じる記者その人ではなくて、ローマの街そのものだった。記者もローマと言う街の一部として愛したんだ。」「記者もそれに気付いたから、あんなに爽やかな顔をしてあの場を去って行ったんだ。」と、、、



 こちらは、上の短歌と同じ状況を詠んだ漢詩です。

さて、ここでちょっと漢詩の魅力についてお話しさせて下さい。上の短歌と漢詩二つを比べて見ると、短歌(31文字)、漢詩(28文字)と文字数、数えてみれば短歌の方が多いのが解ります。それなのに漢詩には短歌には無い「会見の場所」と「映画が蘇る状況」と言う二つの情報が加えられています。理由は、仮名と漢字の一字当たりに載せられる情報量の差です。面白いと思いませんか?

 平安時代、日本語が確立した後も、一千年に亘り文人たちが漢詩に魅力を感じてきたのも、この漢字の情報量の多さにあると想像します。

そして恥ずかしながら、私も今、漢詩のそこに惹かれています。

明日もローマです。


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