《写真短歌》京都吟行シリーズ(4)駒井卓・静江記念館

  「駒井家住宅」、正式名称は「駒井卓・静江記念館」(奥様の名前が入っているのがイイね)の話です。京都市左京区の白川疏水沿い、昭和初期に建てられ洋風住宅である。名建築家ヴォーリズの円熟期の作品とされ、「日本のダーウィン」と言われた京都大学の遺伝学の教授駒井卓博士が、奥様の意見を十分に取り入れて設計を依頼したと言われている。私もヴォーリズの作品は、今までに幾つか見てきたが、細やかな配慮が隅々まで行き届いているという点ではここが一番ではないかと思う。

 この住宅の中でどこが気に入ったかと問われれば、サンルームである。写真の左側、一階と二階両方に造られているが、私の好きなのは二階のサンルームだ。その日も穏やかな春の陽射しの中で、博士のお気に入りであったロッキングチェアが揺れていた。(揺れているように見えた。)博士はきっとこの椅子に揺られながら、遺伝学上の貴重な発見のキッカケを思いついたに違いない。

 博士の最大の遺伝学上の発見の一つに「三毛猫のオスは非常に少ない」という発見がある。「三毛猫のオスの確率は、3,000〜30,000の1」というものだ。(四葉のクローバーと同じくらいか?)その稀少さ故に、商店の看板猫にすれば、その店が大繁盛すると珍重されたみたいだ。

 ところで、私はオスの三毛猫に遭遇したことがあるのだろうかと思ったとき、一つ疑問が湧いた。「博士は、どうやってオスの三毛猫を探して、確率を実証したのだろうか?」という疑問だ。博士の椅子に尋ねてみたが、椅子はピクリとも動いてくれなかった。


このブログの人気の投稿

≪写真漢詩≫四長の『現代漢詩論』

《写真漢詩・短歌》臨時増刊・四長、江東区でプリツカー賞を堪能する。

仙台堀日記・臨時増刊号《写真漢詩・短歌》四長、磯谷渚監督作品「ポーラーナイト」を語る。

《写真俳句》臨時増刊・四長、横須賀美術館で山本理顕氏のプリツカー賞受賞を祝う‼️

《写真漢詩》四長、ウィーンで「第三の男」を追跡す。