《写真漢詩》ニュートークタイムズと盛岡(4)アート編(3)

  舟越保武は盛岡カトリック教会で洗礼を受けている。父親も熱心なカトリック信者であった彼にとっては、「殉教」は生涯に亘り考え続けたテーマであったに違いない。

 此処岩手県立美術館の舟越保武の部屋には、彼が長い時間をかけて取り組み、幾つもの作品に作り上げた「島原の乱」関連の主要な彫像が展示されている。圧巻は壁に掲げられた「長崎26殉教者記念像」のうちの4彫像である。


 私は、仏教徒?いやいや無神論者と言って良い人間なので、「カトリック」や「受難」そして「殉教」も遠藤周作の『沈黙』などの本の中の知識しかない。でもこうした作品群に囲まれていると、この彫像達のモデルになった人たちの心のうちがどのようなものであったのか、知りたく考えたくなるから不思議だ。

 そんな自分の気持ちの動きを詩に詠みたいと現地で撮影した写真を見直して見れば、少なくともあの彫像に囲まれた部屋の臨場感は即座に蘇る。作品の力だと思う。

 舟越保武は2002年、奇しくも島原で日本二十六聖人が殉教したのと同じ2月5日に89歳で天に召された、最後まで不思議な宿命と力を与えられた彫刻家だった。



 明日は、美術館を離れ、盛岡の街なかの宮沢賢治所縁の民芸店を訪ねます。

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