《写真漢詩》大寒 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 1月 29, 2023 写真は、今から十日前後前、二十四節季の「大寒」の頃、凍てつく仙台堀川公園の鴨たちです。実は鳥類が大の苦手の私ですが、この時ばかりは、川の畔で綺麗に整列して寒風に耐えている鴨たちが、少しだけ健気で愛おしく思えて、詠んでしまった七言絶句です。明日から3日間は、昨年観に行った「ピカソとその時代」展で出逢えたピカソとマチスの絵を見て詠んだ短歌をお届けします。アート編です。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ
≪写真漢詩≫四長の『現代漢詩論』 2月 09, 2023 私の現代漢詩論 四長 1.私と漢詩の出逢いと再会 私が漢詩と出逢ったのは、今から50年以上前の高校生の時です。当時私の通っていた名古屋市の東海高校は、その頃でも珍しく古文から独立した漢文の時間が週に1回ありました。その漢文の授業の中心となり題材となったのは、今でも良く憶えている中国唐代の近体詩の2大巨人李白(詩仙)、杜甫(詩聖)の漢詩でした。 勿論、日本語での授業であり、「絶句と律詩」「押韻」「対句」等々の近体詩のルールはしっかり教わりましたが、読むのは日本語の書き下し文であり、中国語の発音である「平仄」は一切教わることはありませんでした。 そして、時は流れて約50年。漢詩とは全く無縁の生活を送っていましたが、一昨年(2021)コロナ禍の11月、年賀状を作っているとき、なかなか逢えない友人たちに、李白風のお酒の詩を贈ろうと、何故か急に思い立ちました。このとき本当に不思議ですが、高校時代の記憶が蘇り、割と簡単に何編か出来てしまいました。(偉そうですが、正に天から降りてくるように。) それからは、本を読んでも、テレビを見ても漢詩が気になるようになり、夏目漱石や森鴎外の漢詩の本を読んで勉強(確認?)して、正に習うより慣れろで、自己流の漢詩を創作するようになりました。基本1日1編のノルマ)のペースで、正確では無いですがもう400編は超えていると思います。 2.私にとっての漢詩の魅力 現在、私にとっての漢詩の魅力は2つあります。「読む魅力(自作も含む)」と「創作する(詠む)魅力」です。 (1)読む魅力 先ず読む魅力ですが、これも大きく分けると2つあります。「書き下し文の美しさ」と「漢詩に載せられている情報量の多さ」です。 ①書き下し文の美しさ 前述しましたが、私のような中国語を知らない多くの日本人にとって、漢詩を読むこと、口述することは、日本語の書き下し文を読むことです。高校時代、李白や杜甫の詩の書き下し文を読むとき、私は不思議に気分が昂揚したこと憶えています。美しいな、カッコいいなと思いました。それは、今になって良く分かりますが、文語体の心地よさだと思います。 (文語体を心地良く感... 続きを読む
《写真漢詩・短歌》臨時増刊・四長、江東区でプリツカー賞を堪能する。 7月 05, 2024 前回のブログ(※リンク) の最後で私は書いた。「『山本理顕』と『プリツカー賞』と私は不思議な縁で結ばれている。」と、、、大変大袈裟な物言いで恐縮だが、今日はそのお話をしたい。 それに気が付いたのは、横須賀美術館で山本理顕氏の経歴、代表的な作品(建築物)を記したボードを見ていたときだ。代表作として「横浜市立子安小学校」「広島市西消防署」「天津図書館」「ザ・サークル・チューリッヒ国際空港」とテレビの「美の巨人」等で取り上げられ私でも知っている建物が列挙されていた。そしてその最後に「東雲キャナルコートCODAN」とあった。 東雲!えっまさか江東区の東雲じゃないよな?早速調べてみたら、所在地は江東区東雲とあった。正に「灯台下暗し」!建築界のノーベル賞に例えられるプリツカー賞の2024年受賞者、世界の山本理顕設計の建造物が、我が愛する地元・江東区にあったのだ。早速訪れて見た。 「東雲キャナルコートKODAN」、完成は2005年3月。都市再生機構(UR)が整備した賃貸型集合住宅、所謂公団住宅である。「最後の公団住宅」とも呼ばれている。最後と言うだけあって、URもこの団地の計画には随分力が入ったみたいだ。著名な作曲家・指揮者である三枝成彰氏を座長に、残間里江子氏をコーディネーターとする「まちなみ街区企画会議」を組織し構想を練り上げた。 そして、実際の設計の総合プロデューサーに選ばれたのが山本理顕氏だったのだ。理顕氏は当時建築雑誌のインタビューに答え、こう話している「高齢者がスマートに見える街並み、高齢者への生活支援施設が一緒になった都市環境になったら面白い」と、、、うーん訪れてみればそれが実現していることが直ぐにわかる。子育て世代への気配りだって感じられる。団地の中央をS字に貫く中央通路に軒を並べるクリニックやデイサービス、保育所や学習塾等の生活支援施設を見ただけで、この団地の機能性、暮らし易さが伝わってくる。 右の平面図のS字通路沿いに左の生活支援施設が軒を連ねる 実際の敷地を貫くS字通路 更に調べを進めていくと「東雲キャナルコートKODAN」については、もっと凄い事実が明らかになった。「東雲キャナルコートKODAN」は全体を6街区に分けて、理顕氏が、全体プロデュースと第1街区を設計している。 山本理顕設計の第1街区 そして、何と第2街区を「... 続きを読む
仙台堀日記・臨時増刊号《写真漢詩・短歌》四長、磯谷渚監督作品「ポーラーナイト」を語る。 1月 21, 2024 小さい頃から映画館で予告編を見るのが好きだった。ひょっとしたら、お目当ての本編の映画を見ている時間よりも、ワクワクしながら見ていたのかもしれない。僅か1分か2分に纏められた予告編は、流石にネタバレにならないようにエピローグだけは伏せられてはいたが、その直前までのストーリーは要約され、凄いスピードで盛り上がった。出演俳優たちも、恐らく彼らが一番魅力的に映ったシーンが繋げられ矢継ぎ早に登場!皆んな圧倒的に魅力的だった。 でも、予告編ではあんなにワクワクした作品も、それに釣られて封切り館に観に行くと、残念ながら、大抵は間延びした凡作に変身、がっかりさせられた。「これは、ある種詐欺だな」と、なけなしのお小遣いを、チケット購入に注ぎ込んだ若き日の私は大いに憤慨したものだ、、、 少し前書きが長くなったが、磯谷渚監督の作品は、不思議とこの予告編のワクワク感がエピローグまで持続する。処女作の短編「わたしの赤ちゃん」などは、上映時間の15分間があっと言う間に過ぎた。そしてそのたった15分間でかなりのドロドロ家族愛憎劇が、見事に方が着いてしまった。私は一瞬「これは予告編で、本編は別に存在しているのでは、、、」と疑ってしまったくらいだ。 2010年「わたしの赤ちゃん」磯谷渚監督・脚本 二作目の「天使の欲望」は上映時間40分間の中編、流石に今度は予告編とは思わなかったが、ワクワクのスピード感は相変わらずだった。長さは体感的には20分〜30分の印象だ。そう、ちょっと長めの朝ドラを見た感じだ。ストーリー展開の物足りなさはあったものの、間延びとは無縁の映画だった。素人の私は、主要なモチーフの「痴漢狩り」の案件をもう2、3件付け加えても面白いのではと感じてしまった。でもそうはならなかったのは、それでは監督の持ち味であるスピード感が損なわれるとの判断があったのだろう。 2013年「天使の欲望」磯谷渚監督・脚本 そして最新作「ポーラーナイト」が封切られた。監督としては初めて70分超えの長編だ。私はやはり作品のスピード感(ワクワク感を伴う)の持続性に着目していた。でも正直、監督としての初長編!スピード感に過度に期待するのも少し酷だなと勝手にハードルを下げていた。するとどうだろう。予測は良い意味で完全に裏切られた。スピード感は健在だ!いや前より増している!私の体感としては45分、大河ド... 続きを読む
《写真俳句》臨時増刊・四長、横須賀美術館で山本理顕氏のプリツカー賞受賞を祝う‼️ 6月 29, 2024 美術館正面、レストランのテラス席は朝から満席だ。 夏至の頃、横須賀美術館を初めて訪れた。美術館の学芸員さんには申し訳ないが、目的は企画展ではなく、山本理顕氏設計の美術館建物そのものを見たくなったからである。このブログの「メニュー」→「アート」→「美術館」で探って頂けると分かるように、私は「美術館フェチ」、それも相当な「美術館建物フェチ」である。 「美術館建物フェチ」にとっては、企画展の人気があまり高くなく、入場者があまり多くない方が、建物の内外をしっかり、ゆっくり鑑賞出来るし、許されれば写真撮影にも都合が良い。その意味では今回の訪問は理想的(失礼!)なはずであったが、少し考えが甘かった。 ウィークディにも関わらず結構混んでいたのである。おかしいなとは瞬間思ったが、直ぐに納得した。私のような「美術館建物フェチ」とまでいかないまでも、美術館建物見学目当ての人が結構いたのである。理由は明白だ。今年の4月、美術館の設計者山本理顕氏がプリツカー賞を受賞したのだ。 プリ ツカー賞!毎年4月、米国のホテルチェーンのオーナーであるプリツカー一族が運営する「ハイアット財団」から授与される賞であり、建築界のノーベル賞と例えられる。1979年創設より原則1年に1名に存命の建築家に授与されて来た。過去の受賞者を国籍別に見ると、なんと日本が9名(※)で最多!以下アメリカ8名、イギリス4名、フランス3名と続く。 ※丹下健三(1987年)槙文彦(1993年)安藤忠雄(1995年)妹島和世・西澤立衛(2010年)伊東豊雄(2013年)坂茂(2014年)磯崎新(2019年)山本理顕(2024年) プリツカー賞の理念は「建築を通じた人類や環境への意義深い貢献」とのことだ。それを思えば、最多受賞は日本人としては何とも誇らしい。 そしてその賞の理念を少し意識してこの美術館を巡ると色々な発見がある。山本理顕氏の考える「建築の貢献」が、建物のあちらこちらに散りばめられているのである。人類(地域の住民、遠くから訪れる人たち)と環境(周囲の自然)への行き届いた配慮が、柔らかく入場者を包み込む。普段より少し穏やかな優しい気分になったのは私だけではないだろう。 美術館の屋上、ガラスの屋根がそのまま海と繋がっている演出だ。 壁に施された色々な丸窓が切り取る景色・光景が優しい。(ガラス越しのシ... 続きを読む
《写真漢詩》四長、ウィーンで「第三の男」を追跡す。 9月 22, 2023 上の写真は、オーストリア・ウィーンのプラーター公園の大観覧車である。映画「第三の男」の重要なシーンの舞台である。2019年、オーストリア、チェコ、ハンガリーの3カ国を巡る旅で訪れた。世界的大ヒット映画の聖地だけあって、大観覧車は、もう100歳を超えているにも関わらず健在だ!観覧車の箱も映画撮影当時のままで、中に足を踏み入れるとモノクロ映画のあのシーンも甦る。(気分を出すため本日のブログの写真はモノクロ仕様だ。) デジタルリマスター版DVD 映画「第三の男」は、1949年のイギリス映画、第2次世界大戦後の連合軍統治下のウィーンを舞台とした「フィルム・ノワール(※)」の金字塔だ。その年のカンヌ国際映画祭のグランプリを獲得し、アカデミー賞では撮影賞(白黒部門)を受賞した。 現在は映画史に残る傑作として、映画ベスト100企画があれば、必ず上位にランクされる。オーソン・ウェルズの存在感(ラスト30分だけなのに)!アントン・カラスのツィター演奏によるテーマ音楽(エビスビールのCM曲だ)!明暗のコントラストを生かし切った映像美!シャープな編集!私も大昔に見たが印象に残っている映画だ。ウィーンへ行くなら聖地巡礼は欠かせない。 プラーター公園入り口 聖地巡礼は面白い。新しい発見もある。忘れていたことも思い出す。この時もあった。僅か2、3行前に「大昔に見たが印象に残っている映画」と偉そうに書いたが、実はとんでもない。 映画で何を見ていたのかと思った。ウィーンに来て、映画の資料を真剣に見直して、ガイドさんの話を聞いて、恥ずかしながら理解した。何かが繋がった気がした。 大観覧車からの眺め、ウィーン市中央部、シュテファン大聖堂の尖塔も見える。 それは 当時(映画の舞台となった時代も映画公開時も)、ウィーンはドイツの敗戦の結果として、連合軍に四分割(米・英・仏・ソ連)統治されていたことの意味、その重み、緊張感だ。 壁こそ築かれていないが、当時のウィーンはドイツのベルリンと同じだ。壁が無いから人は行き来し、交流する。でもそれが逆に、街全体に、街に暮らす人全員に強い緊張感を強いたに違いない。見えない壁の方が高かったかもしれない。その背景があってこその映画「第三の男」だったのだ。それは分割統治の現場に立って初めて想像出来る。 大観覧車の箱から前の... 続きを読む