《写真短歌》四長、芦ノ湖のブラックバスを褒める。
箱根の芦ノ湖である。2021年夏、湖畔にある芦ノ湖の守護神「九頭龍大神」を祀る「九頭龍神社本宮」に参るため、モーターボートに乗った。本宮へは陸路もあるようだが結構難路であるとのことで、モーターボートでの参拝となった。私はジェットコースターが苦手だ、基本的には乗らないようにしている。でもモーターボートは同じようなスピード感がウリだが、重力の変化を伴う急降下が無い。風を切る爽快感だけ味わえるので大層気に入っている。この日も、当時のコロナ禍での窮屈な暮らしや、時折訪れる腰痛のストレス、モヤモヤ感も完璧に吹っ飛ばしてくれた。
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九頭龍神社本宮の鳥居、芦ノ湖で最高のパワースポットとか?そう言えば鳥居の下の岩が龍の様に見える。 |
ところで、芦ノ湖と言えば、ブラックバスが有名である。ゲームフィッシングの王様と言われ芦ノ湖の人気者だ。でもブラックバスといえば外来魚である。世界の侵略的外来種ワースト100にも、日本の侵略的外来種ワースト100にも堂々ランキング入りを果たしている。その外来種が何故?芦ノ湖では大きな顔をして棲んでいるのか?ゲームフィッシングの王様だからか?それだけではちょっと弱い、環境派が容認するはずが無い、、、
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ブラックバスと並ぶ芦ノ湖名物「海賊船」(海賊が何故湖にいるのか?謎だ。) |
調べてみたら、答えは直ぐに判明した。ブラックバスは1925年実業家赤星鐵馬がカリフォルニアから持ち帰り、芦ノ湖に放流した。その際、このブラックバスは、成長が早く効率的な養殖が可能、将来の人口増加による食糧危機対策にも資すると説明し、政府も認めて今に至っているとのことである。あくまでも食用として認められたのだ。
そのため、現在の芦ノ湖のゲームフィッシングには特別ルールがある。今、環境派ゲームフィッシングでは主流になっている「キャッチ・アンド・リリース」は禁止である。積極的に捕獲、食用に持ち帰る。「釣った魚は、必ず食す!」である。
モーターボートで湖を一周して戻った後、入った湖畔のレストランのメニューに「美味!絶品!芦ノ湖丼!」とあった。「芦ノ湖丼!」何かと思えば「ブラックバスの天丼」であった。
成程!ブラックバス!君はしぶといな。「芦ノ湖丼」までなれば君の勝ちだ。当分の存続は約束された。外来魚が生き残る道は、食用!そのためには美味!それしか無いかもしれない。君はそれを知っていたんだね。
参考 : 現在、日本で合法的にブラックバスの放流が許されているのは、芦ノ湖と山梨県の河口湖、山中湖、西湖の4湖である。唯、この4湖においても、生体魚の持ち出しは厳禁であり、流出河川にブラックバスが逃げ出さないよう厳重な措置が講じられている。